「やってみよかな」その一言で動き出した受験の夏
6年生の1学期も終わりかけの頃、塾の懇談会がありました。
「地元の中学に行きたい。ただ、友達と離れたくないだけかもしれない」
そんな子どもの気持ちを尊重するべきなのか。
「長い目で見たら、やっぱり私立の方がいいかもしれない」
そう思って後押しすべきなのか…。私は迷っていました。
塾では「私立に行ってもいい」と言っているようなのに、家では「やっぱり行きたくない」の繰り返し。
本心が見えず、どんどん焦りだけが募っていきました。
私たちは、「公立に行ってもやりようはある」と考えつつ、私立中学受験にも対応できるよう、どちらの道も選べるような勉強スタイルで進めてきました。
でも、懇談会では先生のほうから、地元中学の進学実績表を見せられて驚かされました。
先生曰く――
「僕も最初は、公立に行ってもやり方次第で…と思ってたんです。でも今年度の進学実績を見て、これはちょっと…と思いました。」
1番の理由は、勉強をしなくても入れる高校に進学する生徒の割合が非常に高いこと。
さらにその地域は、
・勉強しなくても進学できる高校が近くにある
・先祖代々その土地に住み、親も祖父母も地元の高校→家業を継ぐという家庭が多い
この2点が揃っており、「勉強しなくてもいい」という空気が強まりやすい、とのことでした。
そして、うちの子の流されやすい性格を踏まえると、
「私立に行った方が成功する可能性が上がる」と先生は判断されたようです。
むすこくん自身が唯一「ここはいいかも」と言っている学校があり、
とりあえずは夏期講習を受験向けにスケジュールを組んでもらうことになりました。
「もし本当に嫌がるようなら、また相談してください」と、先生。
ゲームし放題でやる気スイッチON!?
夏休みのスケジュールは、週5回、14:30〜19:00まで塾。
その代わり、家では勉強しない。ゲームはし放題。
これは息子にとっては夢のような提案だったようです(笑)
今まで時間を決められて遊んでいたゲームが“やりたい放題”になるなら、ちょっと頑張ってもいいかな…と。
塾の先生からも、「この子は最後まではっきりとは決めないと思いますよ」と言われていたので、方向性だけは決めてもらおうと話しました。
するとその夜、息子から突然――
「先生に、受験どうする?って聞かれたー」
…と、自分から話を振ってきたのです!これは驚きでした。
「ちょっとでも行きたいと思ってるなら、今から受験勉強しないと間に合わないし、今頑張れば合格の可能性は上がるよ」と伝えると、先生からの話も効いたのか、息子は…
「やってみよっかなー」
と、ついにその一言をくれました!
ようやく見えた受験への一歩
この時は、本当に嬉しかったです。ようやく伝わった気がしました。
もちろん、完全に覚悟が決まったわけではないと思います。
でも「やってみようかな」と言ってくれただけで、前に進めた気がしました。
塾にも「夏休みからお願いします」と連絡し、いよいよ中学受験が本格的にスタートしました。
まとめとポイント
- 懇談会では、地域性や進学実績も確認して判断を。
- 子どもが前向きになるには、「メリット」の提示も時には有効。
- 迷っていても、方向性だけは定めておくと親子での行動がブレにくい。
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