
中学生の定期テスト対策
江戸幕府の外交と鎖国をざっくり解説
初めは海外貿易を進めた幕府が、なぜ渡航や貿易を制限したのでしょうか。「交流がなくなった」と覚えるのではなく、幕府が交流の相手と窓口を管理した、と整理しましょう。
1. 初めは貿易を進めた
朱印状を持つ船が、東南アジアへ
徳川家康は、大名や豪商に海外貿易を認めました。貿易を許可する証書が朱印状、これを持つ船による貿易が朱印船貿易です。東南アジアへ渡った日本人が住む地域には、日本町が形成されました。
朱印状=貿易の許可証。朱印船貿易=その許可証を持つ船による貿易。日本町=海外にできた日本人の居住地です。
貿易では日本の銀などが海外へ送られ、中国の生糸・絹織物などが輸入されました。輸出と輸入の向きも確認しましょう。参考:国土交通省の朱印船紹介
2. キリスト教を取り締まる
絵踏と寺請制度で、信者を探す
幕府は、キリスト教が支配や秩序の妨げになることなどを警戒し、禁教と貿易統制を強めました。キリストや聖母の像を踏ませて、信者かどうかを調べる行為を絵踏といいます。
| 用語 | 区別のポイント |
|---|---|
| 絵踏 | 絵や像を踏ませて調べる行為 |
| 踏絵 | 踏ませるために使った絵・板など |
| 寺請制度 | 寺院に仏教徒であることを証明させる仕組み |
教材によっては取り締まりの方法を「踏絵」と表すこともあります。意味の違いを理解したうえで、学校の教材の表記も確認しましょう。寺請制度と、像を踏ませる行為は別の仕組みです。参考:長崎市の絵踏の解説
3. 一揆の背景
島原・天草一揆は、重い年貢と迫害への抵抗
1637年、現在の長崎県の島原地方と熊本県の天草地方で、島原・天草一揆が起こりました。重い年貢とキリシタンへの迫害などが背景にあり、1638年まで続きました。
「キリスト教だけが原因」とせず、生活を圧迫した年貢の負担も押さえましょう。幕府は一揆を鎮圧した後、禁教と海外交流の統制をさらに強めます。参考:島原市の一揆の解説
4. 制限は段階的に進む
鎖国は、一度の命令で完成したわけではない
| 年 | 覚える出来事 |
|---|---|
| 1635年 | 日本人の海外渡航・帰国を禁止 |
| 1637〜1638年 | 島原・天草一揆 |
| 1639年 | ポルトガル船の来航を禁止 |
| 1641年 | オランダ商館を平戸から出島へ移す |
こうした禁教や渡航・貿易の統制が進んだ状態を、学習では鎖国と呼びます。外国との交流がすべてなくなったわけではありません。
1639年=ポルトガル船を禁止。1641年=オランダ商館が出島へ。「禁止」と「移転」の違いで覚えましょう。
5. 長崎の窓口
オランダは出島、中国商人は唐人屋敷
長崎では、オランダと中国との貿易が続きました。オランダはキリスト教を布教せず、貿易を行ったため、ヨーロッパの国の中で貿易を認められました。「キリスト教を信じていなかったから」ではありません。
| 用語 | 相手・役割 |
|---|---|
| 出島 | オランダ商館が置かれた長崎の人工島。1641年に平戸から移転 |
| 唐人屋敷 | 長崎で中国商人が滞在した場所 |
| オランダ風説書 | オランダ商館が幕府に提出した海外情報の報告書 |
貿易だけでなく、海外の情報も入ってきました。長崎の相手がオランダ・中国だったことと、日本全体の交流相手は同じではありません。参考:平戸市のオランダ商館紹介 / 長崎市の唐人屋敷紹介
6. 対馬の窓口
宗氏を通じ、朝鮮と交流
対馬藩の宗氏は、朝鮮との外交や貿易を仲介しました。朝鮮から日本へ来た使節が朝鮮通信使です。将軍の代替わりなどを機に訪れ、文化交流も行いました。
朝鮮 ↔ 対馬藩・宗氏 ↔ 朝鮮通信使。「通信」は、現代の通信機器のことではありません。
7. 薩摩の窓口
琉球は薩摩の支配を受けても、中国との関係を続けた
1609年、薩摩藩が琉球王国に侵攻しました。琉球は薩摩の支配を受ける一方、中国への朝貢も続けました。朝貢は、貢物を送り、返礼を受ける形の外交・貿易です。
| 使節 | 送られるきっかけ |
|---|---|
| 慶賀使 | 日本の将軍の代替わりを祝う |
| 謝恩使 | 琉球国王の代替わりに際し、謝意を示す |
朝鮮通信使は朝鮮から、慶賀使・謝恩使は琉球から。使節の名前だけでなく、どこから来たかも区別しましょう。参考:那覇市歴史博物館の琉球史 / 文化庁の琉球使節資料
8. 北の交流と四つの窓口
松前藩とアイヌの人々の交易
松前藩は蝦夷地の南西部に拠点を置き、アイヌの人々との交易を独占しました。交易条件が不利になるなどの圧迫が強まるなか、1669年にシャクシャインを中心とする戦いが起こりました。
教材の資料では、干鮭100匹との交換で受け取る米が28kgから11kgへ減っています。同じ量を渡しても得られる米が少なくなるため、アイヌ側に不利な変化です。参考:長万部町のシャクシャイン紹介
| 窓口 | 主な交流相手 | 結びつける語 |
|---|---|---|
| 長崎 | オランダ・中国 | 出島・唐人屋敷・風説書 |
| 対馬 | 朝鮮 | 宗氏・朝鮮通信使 |
| 薩摩 | 琉球王国 | 慶賀使・謝恩使・中国への朝貢 |
| 松前 | アイヌの人々 | 蝦夷地・シャクシャイン |
交流の相手・場所を幕府が統制しました。「四つの窓口」は、同じ仕組みの四つの港という意味ではなく、交流経路を整理する学習上のまとめです。
9. 確認クイズ
解説付きフラッシュ問題・全40問
江戸幕府の外交と鎖国のフラッシュ問題
重要語句・年代・資料問題 / 全40問
10. 続けて復習
幕府の成立から、外交の統制へ
江戸幕府の成立と大名の統制 / 桃山文化と南蛮文化 / 総合フラッシュクイズ263問
参考資料・挿絵について
提供された授業プリント・問題集をもとに、本文中の自治体・博物館などの資料で確認しています。試験では学校指定の範囲・表記を優先してください。冒頭の挿絵はAIによる学習用イメージで、出島や人物・船を正確に復元した史料ではありません。



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