技術アジャスター試験のB分野で、計算問題を見るだけで苦手意識が出る人へ。
この「計算の超基礎」シリーズでは、公式を丸暗記する前に「何をしている計算なのか」をゆっくり確認していきます。
第1回は、すべての土台になる単位・速度・加速度です。ここが分かると、あとで出てくる摩擦、斜面、衝突、運動量の問題がかなり読みやすくなります。
今回の学習順
🐣 超基礎 → 🌱 1個だけ計算 → 🔥 試験っぽい問題 → 🎯 過去問への橋渡し
いきなり難しい公式は出しません。1つ理解して、1問解いて、次へ進みます。
🐣 まず「速度」って何?
速度は、難しく考えなくて大丈夫です。
ものすごく簡単に言うと、速度とは「どれくらいの時間で、どれくらい進むか」を表したものです。
たとえば
60km/h = 1時間に60km進む速さ
10m/s = 1秒間に10m進む速さ
つまり、km/hやm/sはただの記号ではありません。
km/hは「1時間あたり」、m/sは「1秒あたり」という意味を持っています。
km/hって何?
km/hは、車のスピードメーターでよく見る単位です。
読み方は「キロメートル毎時」。意味は、1時間あたり何km進むかです。
例
36km/h → 1時間で36km進む速さ
72km/h → 1時間で72km進む速さ
ここではまだ計算しなくてOKです。まずは「1時間でどれくらい進むか」を表している、とだけ押さえましょう。
m/sって何?
m/sは、物理や試験の計算でよく出てくる単位です。
読み方は「メートル毎秒」。意味は、1秒あたり何m進むかです。
例
10m/s → 1秒で10m進む速さ
20m/s → 1秒で20m進む速さ
車の普段の表示はkm/hが多いですが、計算問題ではm/sを使うことが多いです。
だから、技術アジャスター試験のB分野では、km/hとm/sを変換できることがとても大事になります。
km/hとm/sを変換しよう
今回の記事で一番大事なところです。
覚えるのは、まずこれだけです。
m/s → km/h は「×3.6」
km/h ← × 3.6 ← m/s

超簡単な計算だけやってみよう
例1:36km/hは何m/s?
km/h → m/sなので、÷3.6です。
答え:10m/s
例2:72km/hは何m/s?
答え:20m/s
例3:10m/sは何km/h?
m/s → km/hなので、×3.6です。
答え:36km/h
例4:20m/sは何km/h?
答え:72km/h
向かい合う車と同じ方向の車
ここでは、いきなり「相対速度」という言葉から入らなくて大丈夫です。
まずは、2台の車がお互いにどれくらいの速さで近づくかを考えます。
向かい合う2台
→ ←
お互いに近づいてくるので、速度を足します。
40 + 30 = 70km/h
同じ方向に走る2台
→ →
追いつく速さを見るので、速度の差を見ます。
60 - 40 = 20km/h

速度と加速度は別物
ここは、かなり大事です。
速度と加速度は、名前が似ていますが別物です。
速度 = 今どれくらいの速さで走っているか
加速度 = その速度が1秒ごとにどれくらい変化するか
たとえば、加速度が2m/s²と書かれていたとします。
これは「1秒ごとに速度が2m/sずつ増える」という意味です。
| 時間 | 速度 |
|---|---|
| 0秒 | 0m/s |
| 1秒後 | 2m/s |
| 2秒後 | 4m/s |
| 3秒後 | 6m/s |
m/s²という単位だけを見ると難しそうですが、意味は「毎秒○m/sずつ速くなる」です。
「毎秒○m/sずつ」の意味
たとえば、毎秒3m/sずつ速くなるなら、こうなります。
| 時間 | 速度 |
|---|---|
| 0秒 | 0m/s |
| 1秒後 | 3m/s |
| 2秒後 | 6m/s |
| 3秒後 | 9m/s |
加速度は「速さそのもの」ではなく、速さの増え方・減り方を表している、と考えると分かりやすいです。
加速度を出す → 「引いて÷時間」
増えた速度を出す → 「加速度×時間」
最後の速度を出す → 「最初の速度+増えた速度」

🌱 1個だけ計算
問題
ある車が10m/sで走っています。
2秒間、毎秒2m/sずつ速くなりました。
最後の速度は何m/sですか?
考え方
毎秒2m/sずつ速くなる。
それが2秒間続くので、増える速度は
最初の速度は10m/sなので、
答え:14m/s
ここでは公式を丸暗記しなくて大丈夫です。
最初の速度 + 増えた速度 = 最後の速度
この形で理解しましょう。
🔥 試験っぽい問題
問題1
車両Aが36km/hで走行している。
この速度をm/sに直したものとして最も適切なものはどれか。
ア 5m/s
イ 10m/s
ウ 20m/s
エ 36m/s
解答:イ
36km/h → m/sなので、36 ÷ 3.6 = 10m/sです。
問題2
車両Aが50km/h、対向車Bが40km/hで走行している。
互いに近づく速さとして最も適切なものはどれか。
ア 10km/h
イ 40km/h
ウ 50km/h
エ 90km/h
解答:エ
向かい合う2台なので、速度を足します。
50 + 40 = 90km/hです。
🎯 過去問への橋渡し
実際のB分野では、今回のような単位変換や速度・加速度が、単独で出るだけではありません。
このあと学ぶ、斜面、摩擦、衝突、運動量などの計算と組み合わされて出題されます。
でも、土台は今日の内容です。
km/hをm/sに直せること、速度と加速度の違いが分かること、向かい合う車は速度を足すと分かること。
ここができると、次の「力の基本」に進んだときにかなり楽になります。
今日覚えるのはこれだけ
今日はこの6個が分かればOKです。
① km/h → m/s は ÷3.6
② m/s → km/h は ×3.6
③ 向かい合う2台は速度を足す
④ 同方向の2台は速度を引く
⑤ 速度 = 今の速さ
⑥ 加速度 = 1秒ごとの速度の変化
計算問題は、いきなり難しく見えることがあります。
でも、最初は「単位の意味」と「何を足しているのか・何を割っているのか」が分かれば十分です。
この調子で、次回は力の基本に進みます。
次回:② 力の基本
次回は、技術アジャスター試験B分野の計算でよく出てくる「力」を、超基礎から確認します。
・力って何?
・質量との違い
・F=maを日本語で理解
・N(ニュートン)って何?
・重い車・軽い車でどう変わる?



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