技術アジャスター試験の計算問題対策、第8回です。
第7回では、運動量・衝突を「質量×速度」として整理しました。
今回は、問282〜292タイプへ進む前の土台として、電気の超基礎を確認します。
今回の学習順
🐣 超基礎 → 🌱 1個だけ計算 → 🔥 試験っぽい考え方 → 🎯 問282〜292へ
回路図を見ただけで無理に感じる人でも、まずは「単位を見る」ところから始めれば大丈夫です。
🐣 電気問題は、いきなり全部解かなくていい
アジャスター試験の電気問題は、複雑な回路図が出ると急に難しく見えます。
でも、最初から問282〜292の回路を全部理解しようとする必要はありません。
まずは、次の順番で見ていきます。
V・A・Ω・Wの意味
↓
使う公式を判断
↓
直列・並列を見分ける
↓
簡単な計算
↓
過去問タイプへ
🐣 V・A・Ω・Wって何?
まずは、電気でよく出る4つの記号を確認します。
| 記号 | 意味 | イメージ | 単位名 |
|---|---|---|---|
| V | 電圧 | 電気を押し出す強さ | ボルト |
| A | 電流 | 流れている電気の量 | アンペア |
| Ω | 抵抗 | 電気の流れにくさ | オーム |
| W | 電力 | 電気がする仕事の大きさ | ワット |
最初は、V・A・Ω・Wの意味を覚えればOK。
複雑な回路図より先に、単位の意味を見ます。

🌱 まず覚える公式は2つ
最初に使う公式は、まず2つだけで十分です。
V = I × R
Vは電圧、Iは電流、Rは抵抗です。
P = V × I
Pは電力、Vは電圧、Iは電流です。
Aなのに、式ではI?
I → 電流を表す記号
A → 電流の単位
Wなのに、式ではP?
P → 電力を表す記号
W → 電力の単位

🔥 どの公式を使えばいい?
ここがこの記事の重要ポイントです。
まず数字を見て焦るのではなく、問題に出てきた単位を見ます。
V・A・Ωが出てきた → オームの法則 V=I×R
Wが出てきた → 電力 P=V×I
まず数字ではなく、単位を見る。

🐣 直列と並列
次に、回路の超基礎です。
直列は、電気の通り道が一本道の回路です。
並列は、電気の通り道が途中で枝分かれしている回路です。
| 直列 | 並列 | |
|---|---|---|
| 電流 | どこでも同じ | 枝分かれする |
| 電圧 | 分かれる | どの枝も同じ |
| 抵抗 | 足し算 | 全体では小さくなる |
直列 → 電流が同じ
並列 → 電圧が同じ

🌱 抵抗の考え方
直列では、抵抗は足し算します。
直列の例
並列では、全体の抵抗は小さくなります。
理由は、電気の通り道が増えるからです。通れる道が増えるほど、全体として流れやすくなります。
並列の例
4Ωと4Ωを並列にすると、合成抵抗は2Ωになります。
分数公式を覚える前に、まず「並列にすると全体の抵抗は小さくなる」と押さえます。
必要に応じて、1/R = 1/R1 + 1/R2 も使います。
ただし最初は、分数公式の暗記より「通り道が増えるから小さくなる」というイメージを優先します。
🔥 回路図には数字と単位を書き込む
電気の問題でつまずきやすい原因は、頭の中だけで処理しようとすることです。
問題文を読んだら、分かった数字と単位を回路図の近くに書き込みます。
問題文を読む → 図に数字と単位を書く → 公式を選ぶ。
図に書くと、何が分かっていて何が分からないか見える。
🐣 電流計と電圧計の読み方
回路図に丸で囲まれたAが出てきたら、電流計です。
電流計は、その場所を流れる電流を測ります。単位はAです。
回路図に丸で囲まれたVが出てきたら、電圧計です。
電圧計は、2点間の電圧を測ります。単位はVです。
| 記号 | 読むもの | 初心者向けの見方 |
|---|---|---|
| A | 電流 | 電気の通り道に入っている |
| V | 電圧 | 測りたい場所の両端につながる |
🔥 複雑な回路は、小さいかたまりから
複雑な回路を、全体で一発計算しようとすると混乱します。
まずは小さいかたまりに分けて見ます。
1. 電流の通り道をなぞる
↓
2. 枝分かれしている場所を探す
↓
3. 枝分かれ部分は並列
↓
4. 一本道の部分は直列
↓
5. 小さい直列・並列のかたまりを先に計算する
↓
6. 分かった数字を回路図へ書き足す
回路全体を一発で解こうとしない。
分かる小さいかたまりから、1つずつ計算します。
🌱 超簡単な計算
いきなり複雑な回路に進まず、1つの公式だけで解ける問題から始めます。
問題1
電圧12V、抵抗6Ωのとき、電流はいくつですか。
12 = I × 6
I = 12 ÷ 6
= 2A
答え:2A
問題2
電圧12V、電流3Aのとき、電力はいくつですか。
= 12 × 3
= 36W
答え:36W
問題3
電源12Vに、2Ωと4Ωの抵抗が直列につながっています。回路全体の電流はいくつですか。
まず回路図へ「12V」「2Ω」「4Ω」と書きます。
直列なので抵抗は足し算です。
= 6Ω
V = I × R
12 = I × 6
I = 12 ÷ 6
= 2A
答え:2A
問題4
電源12Vの並列回路で、ある枝に6Ωの抵抗があります。この枝を流れる電流はいくつですか。
並列なので、この枝にも電源と同じ12Vがかかります。
12 = I × 6
I = 12 ÷ 6
= 2A
答え:2A
🔥 回路問題を見たときの順番
試験問題を見たら、次の順番で考えます。
1. V・A・Ω・Wのどれが出ているか確認
↓
2. Wがある → 電力 P=V×I を考える
↓
3. V・A・Ωがある → オームの法則 V=I×R を考える
↓
4. 回路を見る → 一本道なら直列、枝分かれなら並列
↓
5. 直列なら電流が同じ
↓
6. 並列なら電圧が同じ
↓
7. 分かるところから1個ずつ計算する
全部の回路を一気に解こうとしない。
分かるところを1個ずつ計算する。
🎯 問282〜292へつなげる
ここまで理解できれば、次はいよいよアジャスター試験で出てくる問282〜292タイプの回路問題へ進めます。
ただし、この基礎記事では問282〜292を一気に全部解説しません。
まずは、次の4つを見抜くための土台を作ります。
どこが直列なのか
どこが並列なのか
どの公式を使うのか
最初にどこを計算するのか
🎯 実践問題:問282タイプの入口
最後に、問282タイプへ進む前の練習問題を1つやってみます。
これは過去問そのものではなく、この記事の内容だけで解けるオリジナル類題です。
問題
12Vの電源に、2つの抵抗が並列につながっています。
枝1の抵抗は6Ω、枝2の抵抗は不明です。
回路全体の電流は6Aでした。
枝2の抵抗と、回路全体の電力を求めましょう。
答え・解説を見る
STEP1:単位を見る
12V、6A、6Ω、?Ω、?Wが出ています。
V・A・Ωがあるのでオームの法則、Wがあるので電力の公式も使います。
STEP2:全体の抵抗を出す
12 = 6 × R
R = 12 ÷ 6
= 2Ω
回路全体の抵抗は2Ωです。
STEP3:並列部分を見る
6Ωと?Ωが並列で、全体として2Ωになっています。
並列なので、合成抵抗は小さくなります。
1/2 = 1/6 + 1/R2
1/R2 = 1/2 − 1/6
= 3/6 − 1/6
= 2/6
= 1/3
R2 = 3Ω
STEP4:全体の電力を出す
= 12 × 6
= 72W
答え:枝2の抵抗は3Ω、回路全体の電力は72W
これだけ覚えよう
V → 電圧
A → 電流
Ω → 抵抗
W → 電力
V・A・Ωが出た
→ V=I×R
Wが出た
→ P=V×I
直列
→ 電流が同じ
並列
→ 電圧が同じ
回路図
→ 数字と単位を書き込む
複雑な回路
→ 小さい直列・並列のかたまりから解く
最後に
電気問題は、回路図を見た瞬間に全部を理解しようとするとしんどくなります。
まずは、単位を見る。公式を選ぶ。直列か並列かを見る。分かるところから1個ずつ計算する。
この順番で進めれば、問282〜292タイプにも入りやすくなります。
次回は、この基礎を使って、直列・並列が混ざった回路をどこから解くかを練習します。


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