V=I×Rは覚えた。
でも回路図を見ると、R1=2Ω、R2=6Ω、R3=3Ω……と抵抗がいっぱい出てきます。
すると初心者は、ここで止まりやすいです。
「Rいっぱいあるやん! V=I×RのRにはどれ入れるん?」
第9回では、ここを解けるようにします。今回の主役は、VでもAでもなく抵抗をまとめることです。
V・A・Ω・WやV=I×Rがまだ不安な人は、先に第8回を読むと入りやすいです。
- 第9回のゴール
- なぜ抵抗をまとめるの?
- STEP1 V・A・W・Ωを回路図に書く
- STEP2 一本道なら直列
- STEP3 枝分かれしたら並列
- 🐙 ここで一回整理!直列・並列でV・I・Rはどう変わる?
- 🐙 回路問題の鍵は「抵抗」!まずこの2つだけ覚えよう
- ここで抵抗計算を先に覚える
- 直列の抵抗
- 並列の抵抗
- STEP4 直列と並列が混ざった回路
- STEP5 並列の枝の中にも直列がある場合
- 🐙 ここまで抵抗をまとめてきた理由がこれ!
- かたまりで考える練習
- 回路全体を解いたら、今度は各部分へ戻る
- 練習問題1 まず一本道
- 練習問題2 直列
- 練習問題3 並列
- 練習問題4 直列+並列
- 🎯 最終実戦問題
- 最終実戦問題で迷いやすいところ
- 🐙 回路問題は「抵抗」が鍵!
- シリーズ導線
第9回のゴール
小さいかたまりから抵抗をまとめる
合成抵抗1個にする
全体のV・I・Rをそろえる
V=I×Rを使う
複雑に見える回路でも、抵抗を1個ずつ「かたまり」にしてつぶしていけば、最後は抵抗1個の回路と同じように考えられます。
★ 回路問題の鍵は「抵抗」
★ Ωがいっぱいあったら、いきなりV=I×Rへ飛びつかない
★ 小さい抵抗のかたまりから、順番に1個のΩへまとめる
なぜ抵抗をまとめるの?
🐙 なんで抵抗をまとめるの?
回路全体についてV=I×Rを使うためです。
抵抗がR1・R2・R3……と何個もある状態では、V=I×RのRにどの数字を入れるのかが分かりません。
だから、直列なら足す、並列なら並列公式で1個にする、を繰り返します。
直列・並列をまとめる
合成抵抗1個
V=I×R
この「回路全体を1個の抵抗として見られる状態にすること」が、合成抵抗を出す目的です。
補足すると、回路全体だけでなく、ある部分のV・I・Rが分かっていれば、その部分だけでもV=I×Rは使えます。ただし最初は、まず全体の合成抵抗を作るという流れで考えると迷いにくいです。
STEP1 V・A・W・Ωを回路図に書く
問題文を読んだら、頭の中だけで考えず、V・A・W・Ωを回路図へ書き込みます。
数字だけではなく、単位まで書くことが大事です。
× 12 → ○ 12V
× 6 → ○ 6Ω
単位を見ることで、V・A・Ωならオームの法則、Wなら電力、と判断できます。
STEP2 一本道なら直列

直列は、電気の道が枝分かれしていない状態です。
直列では、流れる電流が同じになります。
「横に並んでいるから直列」ではありません。
電気の道が枝分かれせず、1本だけなら直列です。
STEP3 枝分かれしたら並列

並列は、同じ2点から道が分かれ、あとで同じ2点へ戻るつながりです。
並列では、各枝にかかる電圧が同じになります。
「見た目が上下に並んでいるから並列」ではありません。
同じ2点から枝分かれして、同じ2点へ戻るかで判断します。
🐙 ここで一回整理!直列・並列でV・I・Rはどう変わる?
STEP2・STEP3で、一本道なら直列、枝分かれなら並列、という見分け方が分かりました。
ここで一度、直列と並列では、電圧・電流・抵抗がそれぞれどうなるのかをまとめておきましょう。
回路問題では、V(電圧)、I・A(電流)、R・Ω(抵抗)が全部出てきます。全部を一気に覚えようとすると混乱しやすいので、まずこの1枚を全体の地図として見てください。

【直列】
一本道
電流 → 同じ
電圧 → 分け合う
抵抗 → 足し算
【並列】
枝分かれ
電圧 → 同じ
電流 → 分かれる
抵抗 → 逆数を使って計算
★ 直列 → 電流が同じ
★ 並列 → 電圧が同じ
🐙 回路問題の鍵は「抵抗」!まずこの2つだけ覚えよう
ここから複雑な回路を解くために、いったん抵抗だけに注目してみます。
複雑な回路になっても、抵抗のまとめ方が新しく増えるわけではありません。使うルールは基本的に2つです。
直列なら足し算。
並列なら 1/R=1/R1+1/R2。

足す
並列を見つける
並列公式で1個にする
🐙 抵抗計算はこの2択!
一本道なら → 足す!
枝分かれなら → 1/R!
複雑になっても、使うルールは変わらない!
直列は足すだけなので比較的かんたんです。問題は、並列の1/Rです。
次に、並列公式の意味を確認してから、数字を入れた計算へ進みます。
ここで抵抗計算を先に覚える
STEP4以降の混合回路へ進む前に、直列と並列で抵抗をどうまとめるかを先に確認します。
直列の抵抗
直列は足し算です。
R2=4ΩR=2+4
=6Ω

★ 直列を見つけたら足す!
並列の抵抗
並列だと分かったら、抵抗は足し算ではありません。
直列では、R=R1+R2と足せました。しかし並列では、抵抗をまとめるための専用の公式を使います。
ここで初めて、1/R=1/R1+1/R2 が登場します。
突然この式を覚えるのではなく、まず記号の意味を確認しましょう。

R1 → 並列の1本目にある抵抗
R2 → 並列の2本目にある抵抗
R → R1とR2の並列部分を「1個の抵抗にまとめたときの抵抗」
★ Rは「並列部分全体の抵抗」
★ これを合成抵抗といいます
例えば、枝1にR1=6Ω、枝2にR2=3Ωが並列になっている場合は、R1=6Ω、R2=3Ωを公式へ入れます。
この2本をまとめた結果が、R=?Ωです。
R2=3Ω
並列
Rという1個の抵抗へ
R1とR2を消すのではありません。R1とR2の働きを、同じ働きをする抵抗Rひとつに置き換えるイメージです。
ここから数字を入れて計算します。
=1/R1+1/R2R1=6Ω、R2=3Ωなので
1/R
=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2
⚠️ まだ答えは「1/2Ω」ではありません!
今求まったのは、Rではなく1/Rです。
1/R=1/2なので、最後に必ずR=○Ωへ戻します。
R=2Ω

計算後:合成抵抗2Ω
計算前は、R1=6ΩとR2=3Ωの2本の並列でした。計算後は、R=2Ωという1個の抵抗として扱えます。
★ 並列は「1/R」を計算する
★ 最後に必ず「R=○Ω」へ戻す
★ 出たRが、並列部分を全部1個にした合成抵抗
ここまでできれば、複雑な回路の並列部分を1個の抵抗に置き換えられます。
例えば、R1=2Ω+【6Ωと3Ωの並列】なら、まず並列部分を計算して2Ωにします。すると、2Ω+2Ωという直列回路まで簡単になります。
つまり、直列は足す、並列は公式で1個にするを繰り返して、複雑な回路をシンプルにしていきます。
STEP4 直列と並列が混ざった回路

この回路では、R2とR3が並列のかたまりです。
その並列のかたまりとR1が直列になっています。
そのかたまりとR1 → 直列
ここで大事なのは、抵抗1個ずつを見るのではなく、かたまりで見ることです。
STEP5 並列の枝の中にも直列がある場合

ここはかなり重要です。
例えば、上の枝にR2→R3、下の枝にR4がある場合。
R2+R3の直列かたまりとR4 → 並列
R1+並列のかたまり → 直列
★ 小さい直列を先に足す
★ 並列を1個にする
★ 外側の直列を足す
★ 全部を1個のΩにする
「並列を見つけたら終わり」ではありません。並列の枝の中にも直列がある場合は、枝の中の直列を先にまとめます。
🐙 ここまで抵抗をまとめてきた理由がこれ!
ここまで、直列を足したり、並列を1個にまとめたり、ずっと「抵抗」を計算してきました。
では、なんでわざわざ全部まとめるのでしょうか。
それは、回路全体についてV=I×Rを使える形にするためです。

★ V=I×Rの「R」はどれ?
【回路全体について計算するとき】
↓
回路全体の合成抵抗!
R1、R2、R3と3個の抵抗があるからといって、好きなRを1個選んでV=I×Rへ入れるわけではありません。
直列と並列を正しく計算して、R1・R2・R3を回路全体の合成抵抗Rまでまとめてから、全体のV・I・Rで計算します。
直列・並列を判断
抵抗をまとめる
小さいかたまりから潰す
合成抵抗1個にする
V=I×R
必要なら各部分へ戻る
かたまりで考える練習
数字入りの混合回路で考えてみます。
抵抗が、1Ω、2Ω、4Ω、3Ω、5Ωとあるとします。
まず小さい直列をまとめます。
次に、6Ωと3Ωを並列にします。
=1/6+2/6
=3/6
=1/2R=2Ω
最後に、外側の直列を足します。
バラバラだったΩが、最後に1個の8Ωになりました。
ここまで来ると、回路全体を抵抗8Ωの回路として見られます。
=16÷8
=2A
回路全体を解いたら、今度は各部分へ戻る
合成抵抗から全体の電流が分かったら、次に各部分の電圧・電流を求めます。
| つながり | 同じもの | 分かれるもの |
|---|---|---|
| 直列 | 電流 | 電圧 |
| 並列 | 電圧 | 電流 |
流れは、まず全体を1個のΩまでまとめる。そのあと、今度は逆向きに各部分のV・Iを埋めていく、です。
練習問題1 まず一本道

問題:電源12V、抵抗6Ωの単純回路です。電流は何Aですか。
答えと解説を開く
V=I×R
I=V÷R
=2A
答え:2A
練習問題2 直列

問題:電源12V、R1=2Ω、R2=4Ωです。電流は何Aですか。
答えと解説を開く
まず抵抗をまとめます。
これで、V=12V、R=6Ω、I=?となります。
=12÷6
=2A
直列なので、R1にも2A、R2にも2Aが流れます。
答え:2A
練習問題3 並列

問題:電源12V、R1=6Ω、R2=3Ωです。各枝の電流と全体の電流を求めます。
答えと解説を開く
並列なので、R1にも12V、R2にも12Vがかかります。
=2A
=4A
全体の電流は枝の電流を足します。
答え:R1=2A、R2=4A、全体=6A
練習問題4 直列+並列

問題:画像の条件を見て、回路全体の電流を求めます。
答えと解説を開く
① まず、どこが並列かを見ます。
画像では、R2=6ΩとR3=3Ωが並列のかたまりです。
② 先に並列部分の合成抵抗を出します。
=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2R=2Ω
つまり、R2とR3の並列部分は、2Ωの抵抗1個として見られます。
③ 次に、R1=2Ωと並列部分2Ωを直列として足します。
=R1+並列部分
=2+2
=4Ω
④ ここで初めて、回路全体についてV=I×Rを使います。
=12÷4
=3A
答え:3A
大事なのは、いきなりV=I×Rを使わないことです。先に並列部分を1個の抵抗へまとめてから、全体の抵抗を作ります。
🎯 最終実戦問題

条件:電源12V、全体の電流3A、R1=2Ω、R2=?Ω、R3=6Ω。
① R2はいくつ?
② 回路全体の電力は?
解説を開く
STEP1 分かっているV・A・Ω・Wを図に書きます。
STEP2 全体のV=12V、全体のI=3Aから、全体の合成抵抗を出します。
=12÷3
=4Ω
STEP3 回路全体の抵抗4Ωのうち、R1=2Ωです。R1と並列部分は直列なので、並列部分の合成抵抗は次のように考えます。
=2Ω
STEP4 R2とR3=6Ωが並列です。並列部分全体は2Ωです。
=1/R2+1/61/R2
=1/2-1/6
=3/6-1/6
=2/6
=1/3
R2=3Ω
STEP5 回路全体の電力を求めます。
=12×3
=36W
最終実戦問題で迷いやすいところ
なぜ最初に12÷3をしたのか?
回路全体の合成抵抗を知るためです。
なぜ4Ωから2Ωを引いたのか?
R1と並列部分は直列だからです。
なぜ並列部分を2Ωとして考えるのか?
並列部分全体を1個の抵抗としてまとめているからです。
なぜ最後にP=V×Iを使うのか?
W、つまり電力を求めているからです。
🐙 回路問題は「抵抗」が鍵!
① 問題文のV・A・W・Ωを図へ書く
② 一本道 → 直列
③ 枝分かれ → 並列
④ 直列 → 抵抗は足す
⑤ 並列 → 並列公式で1個の抵抗にする
⑥ 枝の中に直列があれば先に足す
⑦ 小さいかたまりから順番に潰す
⑧ 回路全体を合成抵抗1個にする
⑨ 全体のV・I・RでV=I×R
⑩ 全体が分かったら、今度は各部分のV・Iへ戻る
★ 回路が複雑でも、「小さい抵抗のかたまり」から1個ずつ潰せばいい!
★ Ωがいっぱいあったら、最初にV=I×Rへ飛びつかない!



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