【技術アジャスター試験】運動量・衝突を超基礎から|p=mvと運動量保存をやさしく解説

技術アジャスター試験の計算問題対策、第7回です。

第6回では、応力・断面積を「力÷面積」で整理しました。

今回は、衝突計算の入口になる運動量・衝突を、超基礎から確認します。

今回の学習順

🐣 超基礎 → 🌱 1個だけ計算 → 🔥 試験っぽい問題 → 🎯 実際の過去問タイプへ

いきなり「運動量保存則」から入らず、まずは「動いている物体の勢い」として理解していきます。

🐣 運動量って何?

運動量とは、ざっくり言うと動いている物体の勢い・止まりにくさのようなものです。

同じ速度で走っているなら、軽い車より重いトラックの方が止まりにくいですよね。

同じ車なら、ゆっくり走っているときより速く走っているときの方が止まりにくくなります。

重いほど運動量は大きい

速いほど運動量は大きい

🌱 運動量の公式

運動量は、質量と速度をかけて求めます。

運動量 = 質量 × 速度
p = m × v
記号 意味 単位
p momentum / 運動量 kg・m/s
m mass / 質量 kg
v velocity / 速度 m/s
運動量p=質量m×速度vと各記号の意味を説明する図
運動量は「質量m」と「速度v」をかけて求めます。pの単位はkg・m/sです。

🌱 p・m・vのどれを求める?

問題文を読んだら、まず「何を聞かれているか」を確認します。

運動量pを聞かれたら、m×v。質量mや速度vを聞かれたら、割り算で逆算します。

p = m × v
m = p ÷ v
v = p ÷ m
運動量p、質量m、速度vの計算関係を説明する図
縦に並ぶものは割り算、横に並ぶものは掛け算の感覚で確認します。

🌱 超簡単な計算

まずは1台だけで計算してみます。

例題

質量1000kg、速度10m/sの車の運動量はいくつですか。

p = m × v
= 1000 × 10
= 10000kg・m/s

答え:10000kg・m/s

⚠️ 速度はm/sに直す

運動量の公式で使う速度vは、基本的にm/sで入れます。

km/hで出てきたら、まずm/sへ直します。ここは第1回「単位・速度・加速度」の復習です。

km/h → m/s は、3.6で割る

36km/h ÷ 3.6 = 10m/s

例題

質量1000kg、速度36km/hの車の運動量はいくつですか。

36 ÷ 3.6 = 10m/s
p = m × v
= 1000 × 10
= 10000kg・m/s

答え:10000kg・m/s

🐣 方向が逆ならどうする?

衝突問題では、向きがとても大事です。

たとえば、右向きを+と決めたら、左向きは-として扱います。

向き 符号
右向き +10m/s
左向き -5m/s

相対速度と運動量の符号は混同しない。

相対速度:向かい合う速さの差を見るもの

運動量:向きを持った速度として+・-を使うもの

🔥 運動量保存って何?

ここで初めて、運動量保存の法則を確認します。

難しく言う必要はありません。まずは次の一文だけで大丈夫です。

衝突前に持っていた運動量の合計は、衝突後も同じ

衝突前の運動量の合計 = 衝突後の運動量の合計
衝突前の運動量の合計と衝突後の運動量の合計が等しいことを説明する図
衝突の前後で、運動量の合計を比べる考え方が基本です。

🌱 一番簡単な衝突問題

まずは、ぶつかったあと2台がくっついて進む問題からです。

例題

A車:質量1000kg、速度10m/s

B車:質量1000kg、停止

衝突後、2台がくっついて進む。衝突後の速度はいくつですか。

衝突前の運動量

A車:1000 × 10 = 10000
B車:1000 × 0 = 0
合計:10000kg・m/s

衝突後

衝突後の質量 = 1000 + 1000 = 2000kg
2000 × 衝突後の速度 = 10000
衝突後の速度 = 10000 ÷ 2000
= 5m/s

答え:5m/s

🐣 完全非弾性衝突って何?

完全非弾性衝突とは、ぶつかったあと、2つがくっついて一緒に進む衝突です。

この場合、衝突後の質量は2台分を足します。

くっついた衝突では、衝突後の質量 = 2台の質量を足す

🐣 弾性衝突との違い

ここでは最低限だけ確認します。

種類 イメージ 今回の優先度
完全弾性衝突 衝突後に別々に動く。運動量だけでなく運動エネルギーも保存される。 あとで学ぶ
非弾性衝突 衝突で変形などが生じる。 言葉だけ確認
完全非弾性衝突 衝突後にくっつく。 今回しっかり理解

いきなり複雑な公式を覚えるより、まずは完全非弾性衝突を確実に解けるようにしましょう。

🎯 問205(2)タイプへ

実際の過去問をそのまま載せるのではなく、同じ考え方で解ける類題にします。

類題

A車:質量1200kg、速度36km/h

B車:質量800kg、停止

衝突後、2台がくっついて同方向へ進む。衝突後の速度はいくつですか。

STEP1 36km/hをm/sへ直す

36 ÷ 3.6 = 10m/s

STEP2 衝突前の運動量を求める

1200 × 10 = 12000kg・m/s

STEP3 衝突後の質量を求める

1200 + 800 = 2000kg

STEP4 衝突後の速度を求める

12000 ÷ 2000 = 6m/s

STEP5 必要ならkm/hへ戻す

6 × 3.6 = 21.6km/h

答え:6m/s

選択肢がkm/hなら、21.6km/hとして考えます。

🔥 完全弾性衝突は次の段階

問205(1)タイプのような完全弾性衝突は、少し難易度が上がります。

完全弾性衝突では、運動量だけでなく運動エネルギーも関係します。

この回では、まず完全非弾性衝突を解けるようになることを優先します。

🔥 試験っぽい練習問題

問題1

質量500kg、速度4m/sの車の運動量はいくつですか。

p = m × v
= 500 × 4
= 2000kg・m/s

答え:2000kg・m/s

問題2

運動量6000kg・m/s、質量1000kgのとき、速度はいくつですか。

v = p ÷ m
= 6000 ÷ 1000
= 6m/s

答え:6m/s

問題3

A車1000kg、10m/s。B車1000kg、停止。衝突後くっつく場合、速度はいくつですか。

衝突前の運動量 = 1000 × 10 = 10000
衝突後の質量 = 1000 + 1000 = 2000kg
衝突後の速度 = 10000 ÷ 2000
= 5m/s

答え:5m/s

問題4

36km/hをm/sへ直すといくつですか。

36 ÷ 3.6 = 10m/s

答え:10m/s

これだけ覚えよう

【運動量】

p = m × v

【意味】

重いほど大きい

速いほど大きい

【速度】

km/h → ÷3.6 → m/s

【方向】

右を+と決めたら、左は-

【衝突】

衝突前の運動量の合計 = 衝突後の運動量の合計

【完全非弾性】

ぶつかったあと、くっついて一緒に進む

今回の重要ポイント

衝突問題は、いきなり難しい公式から考えない。

質量 × 速度 → 2台分を足す → 衝突後も合計は同じ、の順番で見る。

次回:⑧ 電気の超基礎

次回は、V・A・Ω・Wの見分け方から、直列・並列、回路図へ数字と単位を書き込む練習までを整理します。

電気が苦手な人でも、問282タイプの回路問題へ進めるように、公式を選ぶ順番から確認します。

シリーズ導線

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