【技術アジャスター試験】回路図の読み方|直列・並列と合成抵抗をやさしく解説

V=I×Rは覚えた。

でも回路図を見ると、R1=2Ω、R2=6Ω、R3=3Ω……と抵抗がいっぱい出てきます。

すると初心者は、ここで止まりやすいです。

「Rいっぱいあるやん! V=I×RのRにはどれ入れるん?」

第9回では、ここを解けるようにします。今回の主役は、VでもAでもなく抵抗をまとめることです。

V・A・Ω・WやV=I×Rがまだ不安な人は、先に第8回を読むと入りやすいです。

第8回 電気の超基礎はこちら

第9回のゴール

直列・並列を見つける
小さいかたまりから抵抗をまとめる
合成抵抗1個にする
全体のV・I・Rをそろえる
V=I×Rを使う

複雑に見える回路でも、抵抗を1個ずつ「かたまり」にしてつぶしていけば、最後は抵抗1個の回路と同じように考えられます。

★ 回路問題の鍵は「抵抗」

★ Ωがいっぱいあったら、いきなりV=I×Rへ飛びつかない

★ 小さい抵抗のかたまりから、順番に1個のΩへまとめる

なぜ抵抗をまとめるの?

🐙 なんで抵抗をまとめるの?

回路全体についてV=I×Rを使うためです。

抵抗がR1・R2・R3……と何個もある状態では、V=I×RのRにどの数字を入れるのかが分かりません。

だから、直列なら足す、並列なら並列公式で1個にする、を繰り返します。

Ωがいっぱい
直列・並列をまとめる
合成抵抗1個
V=I×R

この「回路全体を1個の抵抗として見られる状態にすること」が、合成抵抗を出す目的です。

補足すると、回路全体だけでなく、ある部分のV・I・Rが分かっていれば、その部分だけでもV=I×Rは使えます。ただし最初は、まず全体の合成抵抗を作るという流れで考えると迷いにくいです。

STEP1 V・A・W・Ωを回路図に書く

問題文を読んだら、頭の中だけで考えず、V・A・W・Ωを回路図へ書き込みます。

数字だけではなく、単位まで書くことが大事です。

× 12 → ○ 12V
× 6 → ○ 6Ω

単位を見ることで、V・A・Ωならオームの法則、Wなら電力、と判断できます。

STEP2 一本道なら直列

一本道なら直列、直列回路では電流が同じことを説明する図
一本道なら直列。横に並んでいるかではなく、電気の道が1本かどうかで見ます。

直列は、電気の道が枝分かれしていない状態です。

直列では、流れる電流が同じになります。

「横に並んでいるから直列」ではありません。

電気の道が枝分かれせず、1本だけなら直列です。

STEP3 枝分かれしたら並列

枝分かれしたら並列、並列回路では電圧が同じことを説明する図
枝分かれしたら並列。同じ2点から分かれて、あとで同じ2点へ戻るかを見ます。

並列は、同じ2点から道が分かれ、あとで同じ2点へ戻るつながりです。

並列では、各枝にかかる電圧が同じになります。

「見た目が上下に並んでいるから並列」ではありません。

同じ2点から枝分かれして、同じ2点へ戻るかで判断します。

🐙 ここで一回整理!直列・並列でV・I・Rはどう変わる?

STEP2・STEP3で、一本道なら直列、枝分かれなら並列、という見分け方が分かりました。

ここで一度、直列と並列では、電圧・電流・抵抗がそれぞれどうなるのかをまとめておきましょう。

回路問題では、V(電圧)、I・A(電流)、R・Ω(抵抗)が全部出てきます。全部を一気に覚えようとすると混乱しやすいので、まずこの1枚を全体の地図として見てください。

直列回路と並列回路の電圧・電流・抵抗の違いまとめ
直列・並列で、電圧・電流・抵抗がどう変わるかを一度整理します。

【直列】

一本道

電流 → 同じ

電圧 → 分け合う

抵抗 → 足し算

【並列】

枝分かれ

電圧 → 同じ

電流 → 分かれる

抵抗 → 逆数を使って計算

★ 直列 → 電流が同じ

★ 並列 → 電圧が同じ

🐙 回路問題の鍵は「抵抗」!まずこの2つだけ覚えよう

ここから複雑な回路を解くために、いったん抵抗だけに注目してみます。

複雑な回路になっても、抵抗のまとめ方が新しく増えるわけではありません。使うルールは基本的に2つです。

直列なら足し算。

並列なら 1/R=1/R1+1/R2。

直列は抵抗を足し算、並列は1/Rで計算する合成抵抗まとめ
抵抗計算だけを抜き出したカンペです。直列は足す、並列は1/Rで考えます。
直列を見つける
足す
並列を見つける
並列公式で1個にする

🐙 抵抗計算はこの2択!

一本道なら → 足す!

枝分かれなら → 1/R!

複雑になっても、使うルールは変わらない!

直列は足すだけなので比較的かんたんです。問題は、並列の1/Rです。

次に、並列公式の意味を確認してから、数字を入れた計算へ進みます。

ここで抵抗計算を先に覚える

STEP4以降の混合回路へ進む前に、直列と並列で抵抗をどうまとめるかを先に確認します。

直列の抵抗

直列は足し算です。

R1=2Ω
R2=4ΩR=2+4
=6Ω

直列の抵抗は足し算で合成抵抗を求める図
直列を見つけたら足します。

★ 直列を見つけたら足す!

並列の抵抗

並列だと分かったら、抵抗は足し算ではありません。

直列では、R=R1+R2と足せました。しかし並列では、抵抗をまとめるための専用の公式を使います。

ここで初めて、1/R=1/R1+1/R2 が登場します。

突然この式を覚えるのではなく、まず記号の意味を確認しましょう。

並列抵抗の合成抵抗公式 1/R=1/R1+1/R2 の初心者向け解説
並列の抵抗をまとめるときは、この専用公式を使います。

R1 → 並列の1本目にある抵抗

R2 → 並列の2本目にある抵抗

R → R1とR2の並列部分を「1個の抵抗にまとめたときの抵抗」

★ Rは「並列部分全体の抵抗」

★ これを合成抵抗といいます

例えば、枝1にR1=6Ω、枝2にR2=3Ωが並列になっている場合は、R1=6Ω、R2=3Ωを公式へ入れます。

この2本をまとめた結果が、R=?Ωです。

R1=6Ω
R2=3Ω
並列
Rという1個の抵抗へ

R1とR2を消すのではありません。R1とR2の働きを、同じ働きをする抵抗Rひとつに置き換えるイメージです。

ここから数字を入れて計算します。

1/R
=1/R1+1/R2R1=6Ω、R2=3Ωなので

1/R
=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2

⚠️ まだ答えは「1/2Ω」ではありません!

今求まったのは、Rではなく1/Rです。

1/R=1/2なので、最後に必ずR=○Ωへ戻します。

1/R=1/2つまり
R=2Ω

並列の抵抗は1/Rで計算し、最後にRへ戻すことを説明する図
並列は1/Rを計算し、最後にR=○Ωへ戻します。
計算前:6Ωと3Ωの並列
計算後:合成抵抗2Ω

計算前は、R1=6ΩとR2=3Ωの2本の並列でした。計算後は、R=2Ωという1個の抵抗として扱えます。

★ 並列は「1/R」を計算する

★ 最後に必ず「R=○Ω」へ戻す

★ 出たRが、並列部分を全部1個にした合成抵抗

ここまでできれば、複雑な回路の並列部分を1個の抵抗に置き換えられます。

例えば、R1=2Ω+【6Ωと3Ωの並列】なら、まず並列部分を計算して2Ωにします。すると、2Ω+2Ωという直列回路まで簡単になります。

つまり、直列は足す、並列は公式で1個にするを繰り返して、複雑な回路をシンプルにしていきます。

STEP4 直列と並列が混ざった回路

R1とR2・R3の並列部分が混ざった回路を説明する図
抵抗1個ずつではなく、並列部分をかたまりで見ます。

この回路では、R2とR3が並列のかたまりです。

その並列のかたまりとR1が直列になっています。

R2・R3 → 並列のかたまり
そのかたまりとR1 → 直列

ここで大事なのは、抵抗1個ずつを見るのではなく、かたまりで見ることです。

STEP5 並列の枝の中にも直列がある場合

R2とR3の直列かたまりとR4が並列になり、最後にR1と直列になる回路を説明する図
並列の枝の中に直列がある場合は、枝の中の直列を先にまとめます。

ここはかなり重要です。

例えば、上の枝にR2→R3、下の枝にR4がある場合。

R2+R3 → 同じ一本道なので直列
R2+R3の直列かたまりとR4 → 並列
R1+並列のかたまり → 直列

★ 小さい直列を先に足す

★ 並列を1個にする

★ 外側の直列を足す

★ 全部を1個のΩにする

「並列を見つけたら終わり」ではありません。並列の枝の中にも直列がある場合は、枝の中の直列を先にまとめます。

🐙 ここまで抵抗をまとめてきた理由がこれ!

ここまで、直列を足したり、並列を1個にまとめたり、ずっと「抵抗」を計算してきました。

では、なんでわざわざ全部まとめるのでしょうか。

それは、回路全体についてV=I×Rを使える形にするためです。

複合回路の合成抵抗から電流と各部分の電圧・電流を求める方法
回路全体についてV=I×Rを使うとき、Rに入れるのは回路全体の合成抵抗です。

★ V=I×Rの「R」はどれ?

【回路全体について計算するとき】

回路全体の合成抵抗!

R1、R2、R3と3個の抵抗があるからといって、好きなRを1個選んでV=I×Rへ入れるわけではありません。

直列と並列を正しく計算して、R1・R2・R3を回路全体の合成抵抗Rまでまとめてから、全体のV・I・Rで計算します。

一本道・枝分かれを見つける
直列・並列を判断
抵抗をまとめる
小さいかたまりから潰す
合成抵抗1個にする
V=I×R
必要なら各部分へ戻る

かたまりで考える練習

数字入りの混合回路で考えてみます。

抵抗が、1Ω、2Ω、4Ω、3Ω、5Ωとあるとします。

まず小さい直列をまとめます。

2Ω+4Ω=6Ω

次に、6Ωと3Ωを並列にします。

1/R=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2R=2Ω

最後に、外側の直列を足します。

1Ω+2Ω+5Ω=8Ω

バラバラだったΩが、最後に1個の8Ωになりました。

ここまで来ると、回路全体を抵抗8Ωの回路として見られます。

電源16VならI=V÷R
=16÷8
=2A

回路全体を解いたら、今度は各部分へ戻る

合成抵抗から全体の電流が分かったら、次に各部分の電圧・電流を求めます。

つながり 同じもの 分かれるもの
直列 電流 電圧
並列 電圧 電流

流れは、まず全体を1個のΩまでまとめる。そのあと、今度は逆向きに各部分のV・Iを埋めていく、です。

練習問題1 まず一本道

電源12V、抵抗6Ωの一本道回路で電流を求める練習問題
電源12V、抵抗6Ωの単純回路です。

問題:電源12V、抵抗6Ωの単純回路です。電流は何Aですか。

答えと解説を開く

V=I×R

I=V÷R

I=12÷6
=2A

答え:2A

練習問題2 直列

電源12V、R1が2Ω、R2が4Ωの直列回路で電流を求める練習問題
直列は、まず抵抗を足して合成抵抗を作ります。

問題:電源12V、R1=2Ω、R2=4Ωです。電流は何Aですか。

答えと解説を開く

まず抵抗をまとめます。

2+4=6Ω

これで、V=12V、R=6Ω、I=?となります。

I=V÷R
=12÷6
=2A

直列なので、R1にも2A、R2にも2Aが流れます。

答え:2A

練習問題3 並列

電源12V、R1が6Ω、R2が3Ωの並列回路で各枝と全体の電流を求める練習問題
並列は電圧が同じで、電流が分かれます。

問題:電源12V、R1=6Ω、R2=3Ωです。各枝の電流と全体の電流を求めます。

答えと解説を開く

並列なので、R1にも12V、R2にも12Vがかかります。

R1:I=12÷6
=2A
R2:I=12÷3
=4A

全体の電流は枝の電流を足します。

2+4=6A

答え:R1=2A、R2=4A、全体=6A

練習問題4 直列+並列

直列と並列が混ざった回路で合成抵抗と電流を求める練習問題
いきなりV=I×Rを使わず、どこを先にまとめるかを見ます。

問題:画像の条件を見て、回路全体の電流を求めます。

答えと解説を開く

① まず、どこが並列かを見ます。

画像では、R2=6ΩとR3=3Ωが並列のかたまりです。

② 先に並列部分の合成抵抗を出します。

1/R
=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2R=2Ω

つまり、R2とR3の並列部分は、2Ωの抵抗1個として見られます。

③ 次に、R1=2Ωと並列部分2Ωを直列として足します。

全体の抵抗
=R1+並列部分
=2+2
=4Ω

④ ここで初めて、回路全体についてV=I×Rを使います。

I=V÷R
=12÷4
=3A

答え:3A

大事なのは、いきなりV=I×Rを使わないことです。先に並列部分を1個の抵抗へまとめてから、全体の抵抗を作ります。

🎯 最終実戦問題

電源12V、全体電流3A、R1が2Ω、R2が未知、R3が6Ωの最終実戦問題
まず分かっているV・A・Ω・Wを図へ書き込み、抵抗をかたまりで見ます。

条件:電源12V、全体の電流3A、R1=2Ω、R2=?Ω、R3=6Ω。

① R2はいくつ?

② 回路全体の電力は?

解説を開く

STEP1 分かっているV・A・Ω・Wを図に書きます。

STEP2 全体のV=12V、全体のI=3Aから、全体の合成抵抗を出します。

R=V÷I
=12÷3
=4Ω

STEP3 回路全体の抵抗4Ωのうち、R1=2Ωです。R1と並列部分は直列なので、並列部分の合成抵抗は次のように考えます。

4-2
=2Ω

STEP4 R2とR3=6Ωが並列です。並列部分全体は2Ωです。

1/2
=1/R2+1/61/R2
=1/2-1/6
=3/6-1/6
=2/6
=1/3

R2=3Ω

STEP5 回路全体の電力を求めます。

P=V×I
=12×3
=36W

最終実戦問題で迷いやすいところ

なぜ最初に12÷3をしたのか?
回路全体の合成抵抗を知るためです。

なぜ4Ωから2Ωを引いたのか?
R1と並列部分は直列だからです。

なぜ並列部分を2Ωとして考えるのか?
並列部分全体を1個の抵抗としてまとめているからです。

なぜ最後にP=V×Iを使うのか?
W、つまり電力を求めているからです。

🐙 回路問題は「抵抗」が鍵!

① 問題文のV・A・W・Ωを図へ書く

② 一本道 → 直列

③ 枝分かれ → 並列

④ 直列 → 抵抗は足す

⑤ 並列 → 並列公式で1個の抵抗にする

⑥ 枝の中に直列があれば先に足す

⑦ 小さいかたまりから順番に潰す

⑧ 回路全体を合成抵抗1個にする

⑨ 全体のV・I・RでV=I×R

⑩ 全体が分かったら、今度は各部分のV・Iへ戻る

★ 回路が複雑でも、「小さい抵抗のかたまり」から1個ずつ潰せばいい!

★ Ωがいっぱいあったら、最初にV=I×Rへ飛びつかない!

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