第8回で、V・I・R・Pを覚えました。
第9回で、直列・並列と合成抵抗を覚えました。
第10回では、その最後に電力(W)を求めます。
難しい新ルールを増やす回ではありません。今回の合言葉は、これです。
★ WはVとAについていく!
★ VとAが分かれば、最後は P=V×I で求めるだけ!
STEP1|まずは前回のおさらい
Wを勉強する前に、第9回までの内容を一度まとめます。
直列・並列で、電圧・電流・抵抗がどう変わるかを確認してから、右端の「電力(W)」へ進みましょう。

【直列】
一本道
電流は同じ
電圧は分け合う
抵抗は足し算
【並列】
枝分かれ
電圧は同じ
電流は分かれる
抵抗は逆数を使ってまとめる
ここまでは前回と同じです。今回は、この表の一番右にある電力(W)を追加で見ていきます。
STEP2|Wが出てきたらP=V×I
電力を求める基本公式は、次の1つです。
電力=電圧×電流
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| P | 電力 | W(ワット) |
| V | 電圧 | V(ボルト) |
| I | 電流 | A(アンペア) |
問題に「W」が出てきたら、まず P=V×I を思い出そう!
P・V・IのT字整理
P・V・Iは、次のように整理できます。
────────
V | I
横に並んでいるものは掛け算、縦に並んでいるものは割り算で考えます。
Pを求める → V×I
Vを求める → P÷I
Iを求める → P÷V
超基本例
電圧12V、電流2Aの場合。
=12×2
=24W
VとAが分かっていれば、Wは掛け算だけで求められます。
STEP3|Wは「VとAについていく!」
ここが今回の最重要ポイントです。
電力の公式は、P=V×Iです。
つまり、その場所のVとAが分かれば、その場所のWも求められます。
逆に、VやAが変われば、Wも変わります。
直列・並列だからといって、Wだけに特別な新ルールがあるわけではありません。
★ Wだけを特別に考えなくてOK!
VとAを出す
↓
最後に掛ける
↓
Wが出る!
STEP4|直列ではWはどうなる?
条件
電源12V
R1=2Ω
R2=4Ω
直列回路
まず合成抵抗を求めます。
次に、全体の電流を求めます。
=12÷6
=2A
直列なので、R1にもR2にも同じ2Aが流れます。
次に、それぞれの電圧を求めます。
V1=I×R
=2A×2Ω
=4V
V2=I×R
=2A×4Ω
=8V
最後に、それぞれの電力を求めます。
P1=V×I
=4V×2A
=8W
P2=V×I
=8V×2A
=16W
直列なのに、なぜWが違うの?
直列ではAは同じです。
でも抵抗が違うと、それぞれにかかるVが変わります。
P=V×Iなので、Vが変わればWも変わります。
「直列=Wが同じ」ではありません。
STEP5|並列ではWはどうなる?
条件
電源12V
R1=6Ω
R2=3Ω
並列回路
並列なので、R1にもR2にも同じ12Vがかかります。
R2=12V
電流を求めます。
I1=V÷R
=12÷6
=2A
I2=V÷R
=12÷3
=4A
電力を求めます。
P1=V×I
=12×2
=24W
P2=V×I
=12×4
=48W
並列ならWも同じ?
違います。
並列で同じなのはVです。
抵抗が違えばAが変わります。
P=V×Iなので、Aが違えばWも変わります。
★ 並列 → Vは同じ
★ でもΩが違う → Aが変わる
★ Aが変わる → Wも変わる
STEP6|直列・並列とWの関係を整理
| つながり | 電圧V | 電流A | 抵抗Ω | 電力W |
|---|---|---|---|---|
| 直列 | 分け合う | 同じ | 足す | VとAから決まる |
| 並列 | 同じ | 分かれる | 逆数でまとめる | VとAから決まる |
★ WはVとAについていく!
STEP7|回路全体のW
各抵抗のWと、回路全体のWもつながっています。
STEP5の並列回路で考えます。
R2=48W
各部分の電力を足すと、回路全体の電力になります。
=72W
また、回路全体のVとAからも求められます。
全体の電流=2A+4A=6A
P=V×I
=12×6
=72W
★ 各部分の電力を全部足す
24W+48W=72W
または
★ 全体のV×全体のA
12V×6A=72W
どちらでも回路全体の電力を求められる!
練習問題1|基本
問題:ある電装品に12Vの電圧がかかり、3Aの電流が流れています。消費電力は何Wですか。
答えと解説を開く
Wを聞かれているので、P=V×Iを使います。
=12×3
=36W
答え:36W
練習問題2|Aが書いていない
問題:12Vの電源に6Ωの抵抗をつなぎました。この抵抗の消費電力は何Wですか。
答えと解説を開く
今回はAが書いてありません。
先に電流を求めます。
=12÷6
=2A
そのあと、P=V×Iで電力を求めます。
=12×2
=24W
答え:24W
Wを聞かれていても、VとAがそろっていなければ先にAを出します。
練習問題3|並列
問題:12Vの電源に、R1=6Ω、R2=3Ωが並列につながっています。
① R1の電力、② R2の電力、③ 回路全体の電力を求めます。
答えと解説を開く
並列なので、R1にもR2にも12Vがかかります。
I=12÷6
=2A
P=12×2
=24W
I=12÷3
=4A
P=12×4
=48W
全体の電力は、各部分の電力を足します。
=72W
答え:R1=24W、R2=48W、全体=72W
最終実戦|第9回+第10回
条件:電源12V。R1=2Ω。その先に、R2=6Ω、R3=3Ωの並列回路があります。
問題:回路全体の電力は何Wですか。
答えと解説を開く
STEP1 まず並列部分をまとめます。
=1/6+1/3
=1/6+2/6
=3/6
=1/2
R=2Ω
STEP2 R1=2Ωと、並列部分=2Ωは直列です。
=2+2
=4Ω
STEP3 全体の電流を求めます。
=12÷4
=3A
STEP4 全体の電力を求めます。
=12×3
=36W
答え:36W
最終実戦で特に覚えること
ここでは、第9回で覚えたことと第10回がつながっています。
直列・並列を判断
抵抗をまとめる
全体のV・Aを出す
P=V×I
Wが出る
第10回で新しく増えた難しい回路計算はありません。
第9回までの回路計算の最後に、Wを求めるというイメージでOKです。
第10回はこれだけ覚えればOK!
① Wが出たら P=V×I
② VとAが分かればWは出せる
③ Aが分からなければ、V=I×Rから先にAを出す
④ 直列は、Aは同じ・Vは分かれる
⑤ 並列は、Vは同じ・Aは分かれる
⑥ Wは、VとAについていく!
⑦ 回路全体のWは、全体のV×全体のAでも求められる
Wだけの新しいルールを大量に覚えなくてOK。
VとAを正しく出せれば、最後は掛け算!



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