アジャスター計算問題対策⑭です。
今回は「モーメント・はり」の実戦編です。
公式そのものを長く説明する回ではありません。実際の問題を見たときに、どこが支点で、どの力を使い、どの距離を使えばいいのかを判断する練習をします。
💡 モーメントの公式・基本から確認したい人はこちら
このページは実戦編です。モーメント=力×距離の意味や、支点とは何かがまだ不安な人は、先に基礎編で確認してください。
- 今回の合言葉
- STEP1|まず支点を探す
- STEP2|力の場所と向きを見る
- STEP3|支点からの距離を見る
- STEP4|右回り・左回りを見る
- 実戦イラストで確認
- STEP5|モーメントを計算する
- STEP6|つり合いなら左右のモーメントが同じ
- STEP7|「力」が?の場合
- STEP8|「距離」が?の場合
- STEP9|力が複数ある場合
- STEP10|右・左ではなく回転方向で考える
- STEP11|kgが出たら注意
- STEP12|はり自身の重さ
- モーメント問題の実戦チェックリスト
- 練習問題1|モーメントを求める
- 練習問題2|力を逆算
- 練習問題3|距離を逆算
- 練習問題4|複数の力
- 最終実戦問題|kg+モーメント+つり合い
- 最終まとめ
- 前後記事
今回の合言葉
🐙 まず支点に○!
距離は支点から!
モーメント問題は、問題文の数字を見た順に計算すると迷いやすいです。先に図を読んで、使う数字を選びます。
力
距離
回転方向

STEP1|まず支点を探す
モーメント問題を見たら、最初に「支点」を探します。
支点=はり・棒などが回転するときの中心
距離=支点から力が働いている場所まで
棒の端から距離を測るとは限りません。支点が真ん中なら、真ん中から測ります。
モーメント問題を見たら、まず支点に○!
STEP2|力の場所と向きを見る
次に、力を確認します。
何Nの力か
どこに働いているか
上向きか下向きか
問題用紙には、100N ↓、200N ↑ のように矢印を書き込むイメージです。
STEP3|支点からの距離を見る
ここがかなり大事です。
モーメントで使う距離は、支点から力が働く場所まで。
支点から3m離れた位置に200Nの力が働いているなら、
200×3
=600N・m
× 棒の端から距離を測る
○ 支点から力まで測る
問題文に書いてある長さを全部使う必要はありません。必要なのは「支点から力まで」です。
STEP4|右回り・左回りを見る
次に、その力で棒がどちらへ回ろうとするかを見ます。
時計回り → ↻
反時計回り → ↺
支点の左側を下向きに押すと、基本は反時計回りです。支点の右側を下向きに押すと、基本は時計回りです。
ただし「左側=必ず反時計回り」と暗記しないでください。上向きの力が出ると回転方向が変わります。
この力で棒がどちらへ回ろうとする?
実戦イラストで確認
ここまでの4つを、実際のはりに全部書き込むとこうなります。

問題用紙にも、これと同じように書き込んでOKです。支点に○、力に矢印、支点からの距離、↻・↺まで書けば、数字が増えても整理しやすくなります。
STEP5|モーメントを計算する
ここで初めて公式を使います。
単位はN・mです。
支点から3m
力200N
200×3
=600N・m
公式を長く考えるより、「どのNとどのmを掛けるのか」に集中します。
STEP6|つり合いなら左右のモーメントが同じ
はりが回転せず、水平につり合っている場合は、右回りモーメントと左回りモーメントが同じになります。
左側:100N、支点から2m
100×2=200N・m
右側:支点から4m、力F
F×4=200
F=50N
STEP7|「力」が?の場合
力が分からないときも、いきなり?を計算しません。
左:300N、支点から2m
右:?N、支点から3m
答えと解説を開く
まず分かっている側のモーメントを作ります。
300×2=600N・m
つり合うので、反対側も600N・mです。
F×3=600
F=600÷3
=200N
答え:200N
STEP8|「距離」が?の場合
距離が分からないときも考え方は同じです。
左:200N、3m
右:300N、?m
答えと解説を開く
左側のモーメントを作ります。
200×3=600N・m
右側も同じ600N・mになります。
300×x=600
x=600÷300
=2m
答え:2m
STEP9|力が複数ある場合
同じ回転方向のモーメントは足します。
左側:支点から1m → 100N
左側:支点から3m → 200N
右側:支点から2m → ?N
答えと解説を開く
左回りのモーメントをそれぞれ作ります。
100×1=100N・m
200×3=600N・m
同じ回転方向なので足します。
100+600=700N・m
右側は、
F×2=700
F=350N
答え:350N
STEP10|右・左ではなく回転方向で考える
実戦では、「支点の左側」「支点の右側」だけで判断しないことが大切です。
見るのは ↻ 時計回り と ↺ 反時計回り
特に上向きの力が出た場合、位置だけで判断すると間違える可能性があります。各力の横に↻・↺を書き込むのがおすすめです。
STEP11|kgが出たら注意
モーメントに使う「力」はNです。
問題に「質量100kg」と書かれていたら、100をそのままモーメント公式へ入れません。
重力加速度9.8m/s²なら、
100×9.8=980N
支点から2mなら、
980×2=1960N・m
kgは質量
Nは力
kgのままモーメント計算へ行かない!
kg→NやF=maが不安な人は、第12回 力・質量・加速度 実戦も確認してください。
STEP12|はり自身の重さ
問題文に「はりの質量は無視する」と書いてある場合は、はり自身の重さを考えません。
逆に、はりの質量が与えられている場合は、はり自身の重力もモーメントに関係する可能性があります。
均一なはり → 基本的に中央に重力が働く
ただし問題文の条件を優先する
モーメント問題の実戦チェックリスト
① 支点に○
② 力に矢印
③ 支点から力までの距離を書く
④ ↻・↺を書く
⑤ 力×距離
⑥ 同じ回転方向は足す
⑦ つり合いなら 右回り=左回り
⑧ ?を逆算
合言葉は「まず支点に○!距離は支点から!」です。
練習問題1|モーメントを求める
支点から2.5m離れた位置に400Nの力が働いています。
モーメントはいくらですか。
答えと解説を開く
モーメント=力×距離
=400×2.5
=1000N・m
答え:1000N・m
練習問題2|力を逆算
左:500N、2m
右:?N、5m
はりがつり合っています。右側の力はいくらですか。
答えと解説を開く
左側のモーメント:
500×2=1000N・m
つり合うので、
F×5=1000
F=1000÷5
=200N
答え:200N
練習問題3|距離を逆算
左:150N、4m
右:300N、?m
はりがつり合っています。右側の距離はいくらですか。
答えと解説を開く
左側のモーメント:
150×4=600N・m
右側も600N・mなので、
300×x=600
x=600÷300
=2m
答え:2m
練習問題4|複数の力
左側:1mの位置 → 200N
左側:3mの位置 → 100N
右側:2mの位置 → ?N
はりがつり合っています。右側の力はいくらですか。
答えと解説を開く
左側のモーメントを足します。
200×1=200N・m
100×3=300N・m
合計:500N・m
右側は、
F×2=500
F=250N
答え:250N
最終実戦問題|kg+モーメント+つり合い
水平なはりが支点で支えられています。
支点の左側2mの位置に、質量100kgのおもりがあります。
支点の右側4mの位置に力Fを加え、はりを水平につり合わせます。
重力加速度を9.8m/s²とすると、Fはいくらですか。
答えと解説を開く
STEP1 100kgをNへ変えます。
100×9.8=980N
STEP2 左側モーメントを出します。
980×2=1960N・m
STEP3 つり合うので右側も1960N・mです。
F×4=1960
STEP4 Fを逆算します。
F=1960÷4
=490N
答え:490N
最終まとめ
今回覚えることは増やしすぎなくてOKです。
① 支点を決める
② 力を見る
③ 支点からの距離を見る
④ 回転方向を見る
そのあとに、力×距離。つり合っていたら、右回り=左回り。最後に?を逆算します。
まず支点に○!距離は支点から!



コメント